急性合併症DKA・HHSの兆候と迅速な初期対応
糖尿病の急性合併症である「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」と「高浸透圧高血糖症候群(HHS)」は、生命を脅かす危険な病態であり、看護師は、これらの兆候を早期に捉え、迅速に初期対応を行うための知識と能力を持っておく必要があります。**糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)**は、主に1型糖尿病患者や、インスリン療法を中断した患者に多く見られ、インスリンの極端な不足により、体内で脂肪が分解されてケトン体が過剰に生成され、血液が酸性(アシドーシス)になる病態を指します。兆候としては、「多飲・多尿」「強い腹痛・吐き気」「深くて速い呼吸(クスマウル呼吸)」「アセトン臭(果物のような甘い臭い)」などが挙げられます。一方、**高浸透圧高血糖症候群(HHS)**は、主に2型糖尿病患者に多く見られ、極度の脱水と高血糖(600mg/dL以上など)によって血液の浸透圧が異常に高くなる病態を指し、兆候としては、「重度の脱水」「意識障害」「多飲・多尿」などが挙げられます。看護師がこれらの急性合併症の兆候を認めた場合の初期対応は、「速やかなバイタルサインの測定」「医師への緊急報告」「輸液(水分補給)の迅速な開始」が最優先となります。特にDKAやHHSは、脱水が非常に進行しているため、輸液による体内の水分補給が第一の救命処置となります。看護師は、これらの急性合併症の危険性を認識し、患者の意識レベルや呼吸状態、血糖値といったバイタルサインを常に注意深くモニタリングし、生命予後を改善するための迅速な初期対応能力を身につけておくことが求められます。