糖尿病教育入院の最大の特長は、医師、看護師、管理栄養士をはじめとする多職種の専門家が連携し、患者の自己管理能力を総合的に高めるための、多角的かつ集中的なプログラムが提供される点にあります。このプログラムを通じて患者が学ぶ内容は、日々の治療に直結する実践的な知識と技術が中心となります。医師からは、「糖尿病の病態の基礎(1型と2型の違い、インスリン抵抗性など)」「合併症(腎症、網膜症、神経障害)の進行メカニズムと予防の重要性」「薬物療法(内服薬、インスリン)の作用機序と目標設定」といった医学的な知識を学びます。管理栄養士からは、「食事療法の三原則(カロリー、バランス、規則性)」「食品交換表やカーボカウントの具体的な使い方」「外食や間食の賢い選択術」といった、血糖コントロールに不可欠な食事の知識と技術を学びます。特に、個別の食事相談を通じて、患者の実際の食習慣に合わせた実現可能な改善策を提案します。看護師からは、「自己血糖測定(SMBG)の手技と測定結果の解釈」「インスリン注射の正しい手技(注射部位のローテーション、針の廃棄方法)」「低血糖の兆候と緊急時の対処法」「足病変予防のためのフットケア」といった、日々の自己管理に必要な実践的な技術を学びます。薬剤師からは、「薬の正しい服用方法と副作用」「薬の飲み合わせの注意点」といった薬に関する専門的な知識を学びます。さらに、理学療法士からは、「運動療法の効果と安全な運動の方法(運動の種類、強度、時間)」といった、運動を生活に無理なく取り入れるための指導を受けます。この多職種チームによる集中的な教育プログラムを通じて、患者は病気に対する不安を解消し、治療に必要なすべての知識と技術を体系的に習得することができます。