近年、糖尿病治療の選択肢として登場した「SGLT2阻害薬」(フォシーガ、ジャディアンスなど)は、血糖降下作用だけでなく、心腎保護効果という画期的な利点を持つ一方で、そのユニークな作用機序ゆえに、従来の薬とは異なる「脱水」と「感染症」という危険性を伴うため、看護師や患者はこれらのリスクについて正確な知識を持つ必要があります。SGLT2阻害薬は、腎臓から糖を尿中に排出することで血糖値を下げる仕組みですが、糖とともに水分も尿中に排出されるため、「脱水」や「体液量減少」のリスクを高めます。特に高齢者や、利尿薬を併用している患者、そして水分補給が不十分になりがちな患者は、脱水による血圧低下や脳梗塞、腎機能の急性悪化といった危険な状態に陥るリスクが高くなります。この脱水のリスクを避けるためには、十分な水分補給を心がけることが最も重要であり、特に夏場や運動時などは、意識的な水分摂取が必要です。第二の危険性は、「尿路感染症や性器感染症」のリスクを高めることであり、尿中に糖が多く排出されるため、細菌が増殖しやすい環境となり、感染症のリスクが高まります。特に男性の場合、亀頭包皮炎などの性器感染症にも注意が必要です。この感染症のリスクを避けるためには、排尿後の清潔を保つことや、性器周囲の清潔を心がけることが不可欠です。男性がSGLT2阻害薬を使用する際は、この脱水と感染症という二つの危険性を理解し、医師の指示に従った十分な水分補給と、衛生管理を徹底することが、薬の有効性を安全に享受するための鍵となります。