10代で発症する1型糖尿病は、2型糖尿病とは異なり、インスリン分泌能力が急速に失われるため、症状が急激に進行しやすく、「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」という生命に関わる急性合併症を引き起こすリスクが高いため、その初期症状、特に緊急サインを正確に把握しておく必要があります。1型糖尿病の初期症状として、まず「多飲・多尿」が挙げられ、異常に喉が渇き、水分を大量に摂取するようになり、トイレに行く回数が急激に増加します。特に夜間頻尿が顕著になることが多いです。この多飲・多尿の結果として、「急激な体重減少」が見られ、食事量が変わらない、あるいは増えているにもかかわらず、数週間で体重が大きく減少します。これらは体がエネルギー源としてブドウ糖を利用できず、代わりに脂肪や筋肉を分解しているサインです。10代の患者に特有の緊急サインとして最も注意すべきなのが、「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」の兆候であり、これはインスリンの不足によって脂肪が分解され、血液中にケトン体が過剰に溜まり、血液が酸性になる病態です。DKAの兆候としては、「強い腹痛・吐き気」「意識の混濁や傾眠」「深くて速い呼吸(クスマウル呼吸)」「果物のような甘い息の臭い(アセトン臭)」などが挙げられ、これらの症状が現れた場合は、直ちに救急医療機関を受診する、極めて緊急性の高い状態を示します。10代の1型糖尿病は、風邪や胃腸炎といった他の病気と誤診されやすい側面もあるため、多飲・多尿・体重減少といった古典的な糖尿病の初期症状を見逃さず、迅速に医療機関を受診することが、DKAへの移行を防ぎ、生命を守るための最重要対応となります。