糖尿病の治療において、食事療法はすべての治療の基本となるため、看護師は、管理栄養士と連携し、患者の病態や生活習慣に合わせた具体的で実践可能な食事指導を行う重要な役割を担います。看護師が行う食事療法の指導は、「患者の食習慣と生活背景の把握」から始まります。患者の普段の食事内容、食事時間、外食の頻度、調理環境、経済状況といった生活背景を詳細に聞き取り、管理栄養士が作成した個別の栄養指導計画を、患者の日常の生活に落とし込むためのサポートを行います。指導の具体的な内容は、「食事療法の三原則」(適正なエネルギー量、栄養素のバランス、規則正しい食事時間)に基づき、特に血糖値を大きく左右する「炭水化物の上手な摂り方」(低GI食品の選択、ベジタブルファーストの推奨)や、動脈硬化予防のための「良質な脂質の選び方」といった実践的な知識を伝えます。看護師と管理栄養士の連携においては、管理栄養士が専門的な栄養指導を行った後、看護師が日常の療養指導の中で、患者が指導内容を実践できているかを定期的にモニタリングし、食事記録のチェックや、困っている点、不安に思っている点などを聞き取り、指導内容の修正や、新たな課題の解決に繋げる役割を担います。糖尿病の食事療法は、我慢や禁止ではなく、患者が健康的な食生活を「習慣」として継続できることが目標であり、看護師は、この目標達成に向けた患者のモチベーション維持と、具体的な実践への支援を行うことが求められます。