糖尿病の中には、特定の病気や薬剤が原因となって発症する「二次性糖尿病」と呼ばれるタイプがあります。これは、生活習慣や遺伝的要因とは異なるメカニズムで血糖値が上昇するもので、原因となっている病気の治療や薬剤の変更によって、改善が見られる場合もあります。主な原因となる病気としては、膵臓の病気が挙げられます。例えば、慢性膵炎や膵臓がんなどで膵臓が損傷すると、インスリンを分泌するβ細胞が破壊され、インスリン分泌能が低下して糖尿病を発症することがあります。また、先端巨大症やクッシング症候群など、特定のホルモンの過剰分泌を伴う内分泌疾患も、インスリン抵抗性を引き起こしたり、血糖値を上昇させるホルモンを増やしたりすることで糖尿病の原因となることがあります。肝硬変などの肝臓病も、糖代謝に影響を与え、血糖コントロールを難しくすることが知られています。さらに、特定の薬剤の服用も二次性糖尿病の原因となることがあります。特に注意が必要なのは、ステロイド(副腎皮質ホルモン)です。ステロイドは、炎症を抑えるために多くの病気の治療に用いられますが、血糖値を上昇させる作用があるため、長期にわたって高用量を服用すると糖尿病を発症するリスクが高まります。その他、一部の免疫抑制剤、抗精神病薬、利尿薬なども血糖値に影響を与える可能性があります。これらの薬剤を服用中に血糖値の上昇が見られた場合は、自己判断で服用を中止するのではなく、必ず主治医に相談することが重要です。医師は、薬剤の種類や量、服用期間などを考慮し、血糖降下薬の併用や薬剤の変更など、適切な対処法を検討してくれます。二次性糖尿病は、原疾患の治療や薬剤の調整によって改善する可能性があるため、原因を特定することが非常に重要です。もし、現在服用している薬や治療中の病気がある中で、血糖値の異常を指摘された場合は、必ず医療機関で詳細な検査を受け、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。