インスリン注射と食事・運動の連携タイミングと量の調整
インスリン注射による治療を効果的に行うためには、注射の作用時間と「食事・運動」のタイミング、そしてインスリン量の調整を緻密に行う「連携」が不可欠であり、患者自身がこれらの要素を日々の生活の中で管理する能力が求められます。インスリン注射と食事の連携の基本は、「超速効型インスリンの注射タイミング」であり、食後の血糖値の急上昇を抑えるためには、食事の直前(あるいは食事の直後)にインスリンを注射し、インスリンの効果の発現と、食事の糖質の吸収のタイミングを合わせることが重要です。また、食事の炭水化物量(糖質量)が多い場合は、それに応じて注射するインスリンの量を調整する「カーボカウント」といった手法を習得することも、血糖コントロールの精度を高める上で非常に有効です。インスリン注射と運動の連携においては、運動によって筋肉がブドウ糖を取り込むため、運動中は血糖値が下がりやすくなり、低血糖のリスクが高まるため、運動の種類、強度、時間に応じて、事前に注射するインスリンの量を減量したり、運動前に補食を摂ったりといった「低血糖対策」が必要です。特に激しい運動や長時間の運動を行う場合は、運動前後の血糖値を測定し、インスリン量の調整を行うことが不可欠です。看護師は、患者に対して、食事量や運動量の変化に応じてインスリン量を調整する方法について、具体的な指導を行い、患者が自己血糖測定の結果を基に、インスリンの作用を理解し、自己管理能力を高めることをサポートします。インスリン注射による治療は、患者の自己管理能力が治療の成否を握るため、この食事・運動との連携を習得することが、治療成功の鍵となります。