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  • 発汗異常の裏に潜む低血糖のリスクと対処法

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    糖尿病患者の発汗異常の中でも、特に注意が必要なのが、自律神経障害とは別に、「低血糖」のサインとして現れる発汗です。低血糖(血糖値が70mg/dL未満)は、生命を脅かす危険な状態であり、低血糖の初期症状として、「冷や汗」や「異常な発汗」が自律神経の交感神経系の興奮によって現れることが知られています。この低血糖時の発汗は、通常、冷たくベタつく汗であり、動悸、手の震え、強い空腹感といった他の低血糖症状と同時に現れるため、患者自身がその発汗が低血糖のサインであることを認識し、迅速に対処することが極めて重要となります。しかし、糖尿病性自律神経障害が進行している患者の場合、低血糖になっても、この「冷や汗」や「震え」といった自律神経系の初期症状が現れにくくなる「無自覚性低血糖」の状態に陥ることがあり、この状態は患者が低血糖に気づかないまま重症化し、意識障害や昏睡に至るリスクが非常に高いため、最も危険な病態の一つとされます。看護師は、低血糖のリスクが高いインスリン注射やSU薬(スルホニル尿素薬)を使用している患者に対して、特に自律神経障害が疑われる場合は、低血糖の初期症状だけでなく、「低血糖になる前の血糖値の変動パターン」や、「低血糖時の体の異常な感覚」について詳細に聞き取り、無自覚性低血糖の兆候がないかを評価する必要があります。低血糖の兆候として発汗が現れた場合は、速やかにブドウ糖やジュースといった糖分を摂取し、症状の悪化を防ぐ対処法を患者本人だけでなく、周囲の人にも共有しておくことが、緊急時の対応として不可欠です。