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  • 糖尿病と食事療法の基本

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    糖尿病の管理において、食事療法は薬物療法と並び、治療の根幹をなす要素です。単に「甘いものを控える」という単純な話ではなく、何を、どれくらい、どのように食べるかという全体的なバランスが非常に重要になります。食事療法の目標は、血糖値を安定させ、合併症の進行を予防し、同時に栄養不足にならないようにすることです。その基本となるのが、「適正なエネルギー量の摂取」「栄養素のバランス」「規則正しい食事時間」の三点です。まず、適正なエネルギー量は、年齢、性別、活動量、現在の体重などによって異なりますが、自身の体に合った量を守ることが大切です。過剰な摂取は血糖値の上昇や体重増加に繋がり、少なすぎると必要な栄養素が不足してしまいます。次に、栄養素のバランスですが、炭水化物、タンパク質、脂質を偏りなく摂取することが求められます。特に炭水化物は血糖値に直接影響を与えるため、その量と質には注意が必要です。食物繊維が豊富な全粒穀物や野菜は、血糖値の急激な上昇を抑える効果が期待できます。タンパク質は筋肉や細胞を作る上で不可欠であり、魚、肉、卵、大豆製品などからバランス良く摂りましょう。脂質はエネルギー源となりますが、飽和脂肪酸の摂りすぎは避け、不飽和脂肪酸を多く含む植物油や魚油などを選ぶことが推奨されます。最後に、規則正しい食事時間も重要です。一日三食を規則的に摂り、間食を控えることで、血糖値の変動を安定させることができます。もし間食を摂る場合は、糖質の少ないものを選び、量を決めて食べるようにしましょう。糖尿病の食事療法は、我慢ばかりするものではありません。食材の選び方や調理法を工夫することで、美味しく、楽しく続けられる方法がたくさんあります。管理栄養士と相談しながら、自分に合った食事計画を立て、健康的な食生活を送りましょう。